𠮷田 隆人 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
𠮷田 隆人
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
令和2年11月2日~令和2年11月27日
(医社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 まず始めにこのような新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう社会的情勢の中、地域医療研修を受け入れてくださった青洲会病院の関係者の方々に深く感謝の意を述べさせていただきます。
 横浜の都市部の病院で勤務する私にとって平戸の自然との遭遇は驚きに満ちたものでした。平戸市に到着した初日に猪と遭遇したことは今でも忘れません。病院の前に広がる大海原を見ながら過ごしたこの1ヶ月間は一生の思い出になりました。
 この地域医療研修で私が痛感したことは「私が今までの初期研修を通じて触れてきた医療は広い医療の世界のごく一部であった」ということです。外来では健診やワクチン接種を通じて改めて予防医療の重要性を認識させられました。また、回復期リハビリ病棟の患者様に接し、地域に密着した訪問リハビリを体験させていただくことで慢性期の医療に触れることができました。今思うとこれまでの初期研修では緊急度の高い救急医療や高度な専門性が求められる最先端の医療ばかりを追い求めて研修をしてきたように思います。しかし、医療という大きい枠組みの中でそれらの領域はごく一部に過ぎず、多くの医療者が支えてくださっている地域に根ざした広い医療の土台の上にそれらは成立しているということを痛感いたしました。そして、そこには地域の患者との信頼関係といった、私達医療者が決して忘れてはならない、核となる本質がたくさん存在していたように思います。
 また、青洲会病院の研修では栄養課、薬剤課、医事課、地域連携室といった普段の業務では直接見ることのない、コメディカルの方々の業務を実際に間近で見学させていただきました。普段の私達の医師の業務と連携してこんなにもたくさんの方々が医療を支えてくださっていることを再認識するいい機会となりました。
 これから私は内科専門研修に入り、より専門性を高める努力をしていきます。その中でも平戸の1ヶ月間で学んだジェネラルな視点を忘れずに、そして人との温かいつながりを大切にできる医師になるために精進していく所存です。改めてこの地域研修に携わってくださった全ての関係者の方々に深く感謝しております。
𠮷田隆人