上野 由香里 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
上野 由香里
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
平成29年10月16日~平成29年10月27日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 私は10月16日から2週間にわたり青洲会病院で研修させていただきました。
 平戸市を訪れるのは初めてでしたが、海に囲まれ、私が生まれ育った香川県と同じように時間が流れており、どこか懐かしさを感じていました。当直明けに病院の屋上で日の出を見た際に、改めてふるさとのことを思い出しました。また病院のスタッフの方々や患者さんが皆優しく、初対面の私に対しても温かく受け入れていただき、感謝しています。
 研修内容については、病院内にいる時間は比較的自由な研修をさせていただき、離島の診療所や訪問リハビリなど初めての経験もできました。長崎での研修に先立ち神戸市で地域医療について2週間学ぶ機会がありましたが、交通の便や環境の面からより地域に根差した医療の提供が求められているという事を実感しました。単にADLが低下しているわけではなく、坂が多い地域や島に住んでいるために往診や診療所での細かな医療の提供が必要である事を目の当たりにして、若い医師が少ない中今後も同様の医療を提供し続けることの難しさも改めて感じました。また人数の制限があることから各先生方が科の範疇を越えた手技をこなしておられ、外科の先生が下部消化管内視鏡やERCPを施行されると伺った際は驚嘆しました。年配の先生方の培ってきた経験が大きいだけに、何でもできる若い総合内科医を地域でどのように確保していくか、非常に難しい問題だと感じました。
 全国的に人口減少が進む中、どの地域も医師を確保するのは難しくなってきており、今後ある程度医療資源を集約していく必要もあるかもしれませんが、患者さんに寄り添う医療が提供できる地域医療の意義を実感できた2週間でもありました。地域で学んだことを今後の診療やキャリアプランの形成に役立てていきたいと思います。
上野由香里