内山 葵 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
内山 葵
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
令和2年10月5日~令和2年10月16日
(医社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 私は10月前半の2週間、青洲会病院で研修をさせて頂きました。新型コロナウイルスが流行拡大している中、10月の地域医療研修に行けることが決定したのは出発2週間前のことでした。青洲会病院のスタッフの皆様を初め、ながさき県北地域医療教育コンソーシアムの皆様のご尽力のおかげと深く感謝致します。
 病院の目の前一面に広がる海と磯の香りに包まれて、研修がスタートしました。外来見学では先生方と患者さんとの距離の近さが印象的でした。先生方はカルテを読まなくても、患者さんの名前や顔を見ただけで病気についてはもちろんのこと住所や家族構成や職業まですぐに教えてくださいました。診察中は患者さんの健康状態だけでなく、普段の生活のことも気にされていました。じっくりと時間をかけて患者さんの話を聞き、丁寧に診察し、病気を通して一個人の人生に寄り添うことができるのは地域医療ならではの魅力だと感じました。また先生方はご自身の専門領域を越えた総合診療をされており、「自分の能力の限界を把握し、それ以上のことは各専門科に振る。決して抱え込まない。その中で限界の幅を広げたい。」とおっしゃっていたことが印象的でした。私は将来、内科系に進む予定ですが、専門分野の知識しかない医師になるのではなく、常に「人を診る」ことを意識した全人的医療を実践するようにしようと思いました。
 各部署の見学では栄養士・薬剤師・医事課・検査技師・放射線技師・理学療法士の方々からお話を伺う貴重な機会がありました。各部署から検査や治療方針の提案はできるけれども、決定権がないためもどかしく感じることも多いそうです。チーム医療において、医師は食事や薬剤やリハビリなど専門の職種に頼るのは良いけれど、頼りっぱなしで自分は干渉しないということではいけません。治療に関する決定権を持っていることを忘れずに、広い視野を持って、コメディカルの方々の声に耳を傾け、協力してより良い医療を提供していきたいです。
 他の病院から来ていた研修医の同期とも仲良くなり、ご飯を食べに行ったり、観光に行ったりと楽しい思い出ができました。平戸の自然あふれる環境とおいしい食材と地元の方々の温かい人柄に触れることができ、地域医療での経験1つ1つが将来の糧となりました。短い間でしたが、関わってくださったすべての皆様に重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
内山 葵