内田 陽介 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
内田 陽介
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
令和2年10月19日~令和2年10月30日
(医社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 青洲会病院で2週間研修をさせていただく中で、日頃の研修では得られない貴重な経験をさせていただくことができました。
 その中で特に心に残っているのはスタッフの方全員が一丸となって病院を支えている姿です。院内の様々な部署で研修をさせていただく機会があったのですが、どの部署でもスタッフの方同士のコミュニケーションが多く、活発に意見を交換し合う姿が印象的でした。またスタッフの方とすれ違うといつも気持ちのいい挨拶をしてくださり、慣れない環境に不安を感じていた私はその挨拶にとても救われました。部署間の垣根が低く良好なコミュニケーションがとれているからこそ、院内の過ごしやすい雰囲気が生み出されているのだと思います。そのようなことからも多職種連携を感じはっとさせられました。
 また、患者さんと医療者との関係が地域ならではであると感じました。研修では外来を見学させていただく機会が多かったのですが、先生や看護師さんが患者さんの生活歴を細かく把握し、家族のことなど身の回りの話を頻繁にされている光景が印象的でした。生活背景を含めて全人的に患者さんを診るということが実践されており、患者さんの立場から考えても、些細なことでも相談しやいすい環境であるのではないかと思います。外来において理想的な患者-医療者関係が構築されている場を実際に見ることができ、たいへん勉強になりました。
 そして、病院だけではなく地域全体で住民の健康を守っているのを実感することができました。保健所での研修では、あまり馴染みのなかった保健所の業務を知るきっかけとなり、その守備範囲の広さに驚きました。また平戸では在宅医療も積極的に行われており、「地域で診る」体制が整っていると感じました。病院だけで全ての患者さんを抱えるのは限界があり、保健所を含めて多職種が連携しながら、患者さんの住み慣れた場所での生活をサポートすることが大切なのだと再認識しました。
 最後になりましたが、地域医療研修に携わった方々、病院関係者の方々、コロナウイルスが世間で騒がれる中、平戸での研修の機会を与えてくださり、また温かく迎えてくださり、誠にありがとうございました。2週間という短い期間ではありましたが、豊かな自然と美味しい食べ物・お酒、温かい人々で溢れる平戸を離れるのが名残惜しいです。九州を訪れる際は、是非平戸に帰ってこようと思うので、そのときもまた温かく迎えてください。
内田陽介