T.H (社会福祉法人 恩賜財団 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
T.H
社会福祉法人 恩賜財団 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
平成31年2月4日~平成31年3月1日
(医療法人医理会 柿添病院)

 2月に1か月間、柿添病院で地域研修をさせていただいた。市街地の大きな病院と比べて地方の小病院はゆったりと日々の業務を行っているのだろうと思っていたが、そのイメージとは大きく異なっていると実感した。
 大規模病院とは違い、平戸市の病院には各分野の専門医が揃っているわけではない。そのため専門外の疾患に対してもある程度の対応ができなくてはならないのだと実感した。病院の先生方はそれぞれ専門的な知識もお持ちだが、ジェネラリストとしての能力も高いことが印象的だった。専門領域だけでなく総合診療としての面が強くあることが、個人的に地域医療の魅力だなと感じた。
 病棟では肝疾患の患者さんを受け持たせて頂く機会が多かったが、難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART)という比較的新しい治療を導入している点も驚いた。回収液を濾過し再静注することで、腹水に含まれるアルブミンやγグロブリンなどのたんぱく質の損失を抑え、またエンドトキシンや炎症性物質を除去することによりドレナージ後の発熱、栄養失調などの症状を抑えることができる。実際に術後の副作用なく、腹水による腹部膨満に著効していた。地域医療研修で知らない処置を経験できるとは思わず、良い経験となった。
 その他にも、離島の度島への訪問リハビリ、訪問診療、乳児健診、死体検案など地域医療研修ならではのことも多く学ばせていただいた。
 最後に1か月と短い間でしたが、上記以外にもコンソーシアム合同オリエンテーション交流や飲み会、食事会なども開いていただき平戸市の魅力も十分に感じることができました。充実した研修をすることができたのもひとえに病院職員の方々のおかげです。ありがとうございました。
T.H