谷山 友太郎 (東京大学医学部附属病院)
谷山 友太郎
東京大学医学部附属病院
令和元11月1日~令和元年11月30日
(医療法人医理会 柿添病院)

 長崎県平戸地区での地域医療研修の感想を述べさせていただく前に、まずは1ヶ月間地域研修をさせて頂きました柿添病院並びに関連施設、地域の皆様に御礼申し上げます。
  普段は東京大学医学部附属病院で初期研修をさせていただいており、11月は地域医療研修としてこの地での医療を学ばせていただきました。去年は静岡県焼津市立総合病院というところで研修しておりましたので港町、漁師の町に縁があるなぁと勝手ながら親近感を持ちました。
 平戸地区は高齢化率40%程と全国的に見ても高齢化の進んでいる地域であり、また人口当たりの医師数が全国平均の6割程と医師不足が深刻な地域でもあります。島が多く診療所のみで病院がない所もあり、ドクターヘリやフェリーなどで救急患者が運ばれてきたりもします。そういう環境では急性期に迅速に対応できないことはままあるため、いかに慢性期に増悪させないようにフォローするかが大事になってきます。柿添病院では普段大学病院では見ることのない慢性期の患者さんの外来でどういう声かけや診療をしてフォローするかということを院長や診療部長の外来を通して学ばせていただきました。
 また、平戸地区は健診での生活習慣病の数値が高い傾向にあるため、健診受診率やその後の医療機関を受診する率を上げる努力を行政が主体となって地域全体で行なっており、受診率は全国平均よりも高くなっています。健診での診察や説明を通していかに健康意識を高め、受診率を高められるように説明することが難しいかということを感じました。うまく説明できて「すぐに医療機関にかかってみます」と患者さんにおっしゃって頂いた時は嬉しかったです。他にも、通所リハ施設での1日体験実習や離島訪問診療など患者さん達の日常や暮らし、生活ぶり、ADLなどを直に見られたことも大きな経験になりました。こちらで学んだことを今後の診療に活かして行きたいと思います。
 話は変わりますが、平戸での生活も存分に楽しみました。柿添病院は朝昼晩と無料で提供して頂け、しかもお店のように、いくつかはお店よりも美味しいご飯でした。歴史的にも16世紀後半のポルトガル船来航から17世紀前半に舞台が出島に移るまでは西の都と呼ばれて栄えた由緒ある土地柄で、色々な博物館や資料館などをまわるのも楽しかったです。お酒も美味しく、温泉巡りもしましたし、長崎県にローマ教皇が来る前日には長崎市や佐世保市のハウステンボスにも行き平和公園やイルミネーションを見たのも良かったです。1ヶ月ではまだまだ見切れないくらい魅力の多い県でしたので、またぜひ足を運びたいなと感じました。
 最後に繰り返しにはなりますが、この度お世話になりました方々に厚く御礼申し上げます。
谷山友太郎