田中 拓 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
田中 拓
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
平成28年10月31日~平成28年11月25日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 長崎県は田平・平戸にある青洲会病院で1か月研修させて頂きました。普段は都心の急性期病院で研修しており、場所も役割も全く異なる病院での研修には不安がありました。しかし、1か月の研修で強く印象に残ったことがいくつもありました。
 中でも、医療者・患者間の距離の近さに驚きました。外来見学ではどの患者さんも、いつもかかっている先生の顔を見ると安堵し、たとえいつもの薬をもらうだけでも医師の診察を心待ちにして会話をし、医師・看護師も身体のことだけでなく家族のことなど明るく話していました。往診や訪問看護でも同様に、医療者が患者の健康だけでなく保険のことや家族のことなど相談にのり、患者さんの健康だけでなく生活をバックアップする姿勢を強く感じることができました。ただ医療というサービスを提供するだけでなく、地域の生活の一部として病院が機能している場を体感でき、地域医療の醍醐味を実感できたように思います。
 また、先生方には手厚く指導いただき、医師としてのスキルだけでなく、「この患者さんは家族と離れて暮らしていてね」「この患者さんの孫が今度長崎にくるんだけど」など、患者とコミュニケーションを豊富にとってその生活の支えになろうとする姿勢を教えて頂きました。また保健所実習や、リハビリ、総務課、薬剤部など病院の各部署での実習を通して、医師の役割だけでなく医療にかかわるすべての仕事を体験することができ、普段味わえない包括的な医療を強く感じ取ることができました。
 この1か月の研修で、地域に根付いた健康増進ならびに生活援助を学ぶことができ、医師として、また医療に携わる人間として成長を実感できた1か月になったと思います。皆様に感謝を申し上げたいと思います、ありがとうございました。
田中 拓