田村 紗也 (独立行政法人国立病院機構 京都医療センター)
田村 紗也
独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
令和元年11月5日~令和元年11月29日
(平戸市立生月病院)

 2019年11月の1か月間研修させていただきました。この一か月、私の住む街では経験してこなかった経験をたくさんさせて頂き、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
 生月島到着初日、なれない山道を運転し、コンビニを発見するたびに、ここが最後のコンビニかな、どんな田舎に行くのだろうと不安と楽しみ半分半分を抱きながら運転してきたのを覚えています。
 病棟業務では、外来、インフルエンザ予防接種に加え、事業所健診、被爆者健診、訪問診療など初めての業務も経験しました。今までは病院の職員にしか打ったことがなかったインフルエンザ予防接種でしたが、ここではおそらく1か月で千人近い患者さんに接種し、それだけでも生月島唯一の病院の意義を感じました。また訪問診療では病院の診察室で診察するのとは異なり、患者さんの生活感を感じながらとっても人間味のある診察で、衝撃を受けたと同時に大変心温まりました。ここでの医療は都市部では許される専門分野だけの高い知識もここでは意味がなく、内科・外科問わず幅広い分野の知識が求められることを実感しました。生月島では、85,90歳を超えても背筋が伸び、杖なく歩いておられる方が都市部よりも多く大変驚きましたが、今後高齢化が進んでいく日本では、へき地医療は必要不可欠です。いつかへき地医療に従事することが求められた時にはこの研修が少しでも役に立つように励みたいと思います。
 ある日は寮のベランダでヤモリ、またある日は洗面所の壁で足がたくさん生えた見たこともない虫を見た際はここに来たことをかなり後悔しましたが、オオバエ灯台やサンセットロードからの美しい景色と美味しいごはんはそれを忘れるくらいの感動を与えてくれました。
 最後になりましたが、生月病院の先生方、コメディカルの方々、並びに出会った島民の方々に感謝します。一か月間大変ありがとうございました。
田村紗也