竹内 加奈 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
竹内 加奈
横浜市立大学附属市民総合医療センター
平成29年11月2日~平成29年11月30日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 今回、地域医療研修を行うにあたって、私が現在所属している研修病院とは全く異なる環境で研修したいと考えて、周囲に離島が多く、診療所での訪問診療などが盛んに行われている平戸青洲会病院を第一に希望させていただきました。これまで九州に来たことすらなく、平戸がどのような場所なのか知らずにきましたが、病院の眼前に海が広がり、平戸大橋が望める環境に、初日から大変心が躍ったことを覚えています。
 実際に研修が始まると、これまでの研修では経験できなかった機会が数多くありました。青島や鷹島の診療所への訪問診療では、医療資源が限られた環境の中で、問診や診察からいかにして必要な情報を少しでも多く拾い出すかということを学びました。大学では専門科の診療に偏りがちですが、青洲会病院では診療科の垣根を越えて幅広く患者さんを診る場面が多く、総合診療の難しさと重要性を知りました。他にも、訪問リハビリや訪問看護、デイケアの見学や特別養護老人ホームでの研修など、沢山のことを経験させていただきました。
 研修に来る前は、地域医療に対して、医療資源や医師が不足していて大変そう、というマイナスなイメージがありました。しかし実際は、大変な状況は確かにありますが、それでも先生方は患者さんとの触れ合いを楽しみながら診療にあたっており、さらに、限られた資源と人材の中でも、先生方と他医療スタッフの方々の経験や連携で、都市部と遜色のない医療が提供されているということを知ることができました。患者さんとの会話や触れ合いを大事にする温かみのある医療に触れ、日々の業務をこなすことに必死になっていたこれまでの研修生活を反省し、初心を思い出すこともできました。
 平戸青洲会病院での1ヶ月間は、本当にたくさんのことを学び、経験することのできた、充実した楽しい時間となりました。熱心に指導して下さった先生方、親切にしてくださった他医療スタッフや事務の方々、お話を聞かせていただいた患者さんなど、お世話になった皆様に本当に感謝しております。この1ヶ月間の研修の経験を活かし、これからたくさん勉強して、いつか平戸の医療にも貢献できるような立派な医師になりたいと思います。本当にありがとうございました。
竹内加奈