竹下 朋納 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
竹下 朋納
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
令和元年7月1日~令和元年7月26日
(平戸市立生月病院)

 4週間地域研修でお世話になりました。普段の総合病院での研修とは全く違った経験をさせていただきました。福岡からの道中、どんどん建物が少なくなり、山を越え海を越え(連続で2回も橋を渡ったのは初めての経験でした笑)、島に入ると思った以上になにもなく、しかしコンビニがあることに少し安堵した記憶があります。そもそもこれまでに、こういった場所(島)に来たことさえありませんでした。
 生月病院での研修で一番印象的だったのは、患者さんと関わる上で、当たり前にその社会的背景や生活状態、家庭環境を把握しているというところでした。全職員の方がそれぞれの患者さんに関して、この方は誰々のお母さんで~とか、旦那さんが~とか、お家で介護しているご家族が~とか、妹さんがどこどこの施設に入ってて~とか…まるで家族のように背景を熟知しており、それを踏まえて治療方針を決定していました。これまで自分は、患者さんとの関りもそこまで深くなく、各々の背景をそこまで鑑みずに、ただ目の前の病気を治したり状態を改善させることしか考えていなかったのだと反省し、この気持ちを忘れず今後に生かしていきたいと感じました。
 また、医師の業務の幅広さにも驚きました。外来や病棟管理はもちろんのこと、日替わりで事業所健診や特定健診の診察や判定を行ったり、小学校の保健委員会に学校医として参加したり、5歳児健診で幼稚園に行ったり…存在は知っていたものの経験したことのない業務ばかりで、少ない医師がその地域の医療のみならずコミュニティの中核も担っており、地域住民にとっては欠かせない存在なのだと実感しました。はじめこそ不慣れで戸惑いましたが、徐々に仕事ができるようになってくると、そのような意味で非常にやりがいがあると感じました。
 最後になりましたが、生月病院の先生方、コメディカルの方々、1か月間大変お世話になりました。多くのことを学ばせていただき、本当にありがとうございました。
竹下朋納