橘 奎伍 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
橘 奎伍
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
令和元年8月5日~令和元年8月16日
(平戸市立生月病院)

 2019年の8月、平戸市立生月病院で2週間研修させていただきました。
 研修中に驚いたのは生月病院では100歳以上の患者さんを診る機会が多いということでした。平戸市の高齢化率は37%で日本の高齢化率を大きく上回っていますが、生月島だけでの高齢化率は45%近くまであるということでした。現在の日本の高齢化社会が進むと、平戸で行われている医療はより参考にされるべきであると考えます。
 普段の研修病院では急性期の患者を診ることがほとんどで、急性期を過ぎた患者さんが、どのように過ごされているかまで意識が向きにくいのが実際でしたが、今回の研修を通して今後は慢性期のことも意識しながら、急性期の診療を行いたいと思いました。
 印象に残っているのは「生月にいる高齢者は生月から出たくない。生月と平戸は別。」という病院職員の方の言葉です。この言葉を聞いた時、よそ者の私にとっては、生月と平戸はそこまで距離も遠くないし、変わらないのではないかと思いました。ただ、研修を行っていくにつれ、少しづつ理解できるようになりました。生月病院は生月島の住人にとっては、困ったときに行けば診てくれる頼みの綱であり、行けば外来の待合で他の患者さんや、先生と会話をして盛り上がる憩いの場でもある、地域に根差した病院であることを実感しました。
 最後になりますが、生月病院の先生方やスタッフの方、患者さんやそのご家族も私に対してとてもあたたかく接して下さり、とても楽しく有意義な研修を行うことができました。2週間と短い期間でしたが、ありがとうございました。
橘 奎伍