品川 博光 (独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター)
品川 博光
独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター
令和3年2月1日~令和3年2月26日
(医療法人医理会 柿添病院)

 今回、地域研修で平戸市にある柿添病院で1か月間の研修をさせていただきました。コロナ禍で制限が多い中でしたが、柿添病院以外の地域や施設でも貴重な体験をすることができました。
 柿添病院では主に入院患者の管理や外来(創処置・包交処置、リハビリ前の診察や健診指導)、外科や整形外科の手術症例に携わらせていただきました。病棟管理では長崎医療センターで見る患者よりも年齢層が高めで、様々な併存疾患を持つ患者が多く急性期の患者も多かったため、いつもの成人の診療よりも気に掛ける点が多く、高齢者医療の難しさを実感しました。また、長崎医療センターと柿添病院間での設備や使用できる医療資源の違い、マンパワーの差などを知ることができ、4月からの離島勤務に向けてとても参考になりました。外来では毎日の包交処置から健康診断の結果説明まで幅広い分野を経験することができました。健康診断の説明ではどれだけ患者の気持ちを損ねることなく、生活習慣を改善する方向に持っていけるかがとても難しいことだと感じました。言葉一つとっても、医者側は軽い気持ちで言ったことが患者の心境に大きく影響しかねないので、今後の自分で行っていく患者説明や外来で今回学んだことを活かしていきたいと思いました。手術では副院長先生や町田先生から術中の手技や上手くいくコツなどを丁寧に教えていただきとても勉強になりました。
 院外での地域研修では通所リハビリ見学や訪問診療、乳幼児健診などを経験させていただきました。通所リハビリ見学では利用者と一緒に体操やストレッチを行ったり、特浴の様子を見学させていただいたりと普段の病院勤務ではできない体験をすることができました。また、訪問診療では実際の患者のご自宅を拝見することができ、患者が自宅で普段どんな地域で生活していて、どのような環境で過ごしているのかを垣間見ることができました。乳幼児健診では4か月くらいの子を多く見させていただき、乳児の診察で気を付けるべきポイントや親とのコミュニケーションの取り方などを学ぶことができました。子供の健康はもちろんですが、親のメンタルケアや体調を気にかけてあげることも重要だと感じました。
 柿添病院での研修は1か月間ととても短い期間でありましたが、高齢化が著しい地域での地域医療について本当に多くのことを学ぶことができ、充実した1か月間となりました。
 最後に、コロナ禍で色々と大変な状況の中、丁寧に指導していただいた先生方、病院のスタッフの方々に深く感謝申し上げます。本当にお世話になりました。またどこかでお会いした時には成長した姿を見せることができるように日々精進してまいりたいと思います。ありがとうございました。
品川博光