栽原 彩 (東京大学医学部附属病院)
栽原 彩
東京大学医学部附属病院
平成28年11月4日~平成28年11月30日
(医療法人医理会 柿添病院)

 地域医療実習として、都内のクリニックやリハビリテーションでの研修をする選択肢もありました。しかし、今後の進路を決めるうえで視野を広げるためにも、東京から遠い地域での医療を経験したいと考えました。父の出身が鹿児島県で、幼い頃から毎年のように鹿児島の親戚を訪ねていた経験があったからか、九州に親しみを覚えており、長崎での研修を希望しました。研修先が日本の最西端である、東京から遠く離れた長崎平戸の柿添病院に決まった時は、不安でいっぱいでしたが、一方で初めての経験への期待も大きかったです。
 東京からおよそ7時間かけて到着した平戸は、見渡す限り海が美しく、歴史的建造物が数多く点在していました。平戸は鎖国前の日本の対外貿易の中心となっていたこと、またキリスト教伝来の地でもあることから、どこか異国情緒が溢れる素敵な街でした。
 柿添病院は地域密着型の病院で、外来、急性期病床、慢性期病床、各種検査室、手術室、透析室、歯科治療室等を備えた大型病院でした。外来を受診する患者さんは常連さんが多いためか、先生方は多くの患者さんの生活背景やキャラクターまで把握されており、患者さん一人一人、診察を少しずつ変える工夫をされていると、聞きました。患者さんを理解する気持ちがあり、配慮をされていることで、患者さんとの信頼関係が強く結ばれていると感じました。
 柿添病院にはCTやMRI等一通りの画像検査、医療機器が揃っており、緊急手術を行うことができるような手術室もあり、急性期疾患にも対応する急性期病院でした。一方で、医師が少ない地域であることから、外科医の先生が脳梗塞や心不全を治療し、多くの先生が総合診療を行っていることに驚かされました。外来や当直中に私が主治医となり方針を立て、診療を行なう機会が多々ありました。また、内視鏡検査や手術の手技を積極的に行うこともできました。
 その他、一日かけて離島へ向かい、平戸の市内の病院へ来院出来ない患者さんの往診、リハビリテーション訪問や、一歳半や五歳児の健診、老健の定期診察、保健所、留置所に行く機会を設けて頂きました。これらの経験は、大学病院における初期研修と大きく異なり、非常に新鮮でした。
 最後に、柿添病院での地域実習では、大変貴重な経験をさせて頂きました。この経験を今後の成長の糧にし、日々努力し邁進して参ります。地域研修プログラムを企画しサポートして下さった、柿添病院の先生方やコメディカルのスタッフの方々には、非常にお世話になり、感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。
栽原 彩