大久保 篤 (東京大学医学部附属病院)
大久保 篤
東京大学医学部附属病院
平成29年4月3日~平成29年4月28日
(医療法人医理会 柿添病院)

「平戸ってどこ??」

「地域実習は4月、長崎県平戸市柿添病院に決定いたしました。」
研修医一年目、3月の終盤に東京大学附属病院の院内メールが届いてから僕はGoogleマップで場所を調べた。
長崎市内の病院になるだろうと考えていたが示されたのは長崎市内から直線距離で100㎞程度離れた場所、そして島だった。
九州とは平戸大橋でつながっている道だけであり電車は通っていない。
まずどうやっていくんだよ笑。最初の感想だった。
3月に糖尿病内科を研修していた僕はオーベンに尋ねてみると意外にも場所を知っていた。
ふるさと納税で人気のところだよ。肉とか魚とか食べ物が充実してるからね~。
ごはんがおいしいらしい。これだけで僕はまぁいいかなぁと考えていた。

4月に入り福岡空港から博多駅へ移動し平戸市への直通バス(YOKAROバス)に乗車し平戸へと向かった。
料金は往復5000円、時間は2時間30分程度のバスの中、同期の研修医達から 「地域医療は観光みたいなものだよ」と聞かされており、
地域実習に対して正直な胸の中は遊び50%、勉強30%、ご飯20%だった。
週明け4月3日から研修が始まった。
院長の柿添圭嗣先生、副院長の博史先生、診療部長の三郎先生、小児外科の由美子先生、整形外科の町田先生、皮膚科の丸田先生、九州大学医学部附属病院第二外科から研修に来ている廣瀬先生。
朝は7時30分に朝食が出る。8時から簡単な外科処置ができる外来患者の診察。その後与えられた患者の回診。
9時からリハビリ受診患者に対して外来診察、健康診断の結果説明。(最初は本当に何もわからず本当に困惑した。)
終わったら12時頃まで外来見学。午後からはオペ。
電子カルテの使い方がよくわからない。由美子先生には毎日何かしらで怒られる笑。
そんな毎日。
外来の仕方、術前の患者把握、手術内容の予習に縫合の練習。
「あれ?けっこう忙しくない?観光は?」
遊びを中心に考えていた僕は完全に出鼻をくじかれた。
研修が始まって二週間は慣れないことばかりで、手一杯で、早く終わらないかなと思う時もあった。
しかし、指導医の先生やスタッフのみなさんが可能な限り僕に教えてくれた。次第に自ら今度はあれをしてみようとか、手術の時こう手を出してみようとか、患者さんが求めてることはなにかなとか考え行動に移すことができるようになってきたと思う。
同期の研修医にも恵まれた。
週末にはハウステンボスや熊本県の黒川温泉など遠出も。
同じ研修医としてどう考えてるかとか勉強になりました。
また飲みに行きましょう。必ずね。
この一か月間で学んだことは本当に多かった。
初めての当直、外来診察、救急車搬送、度島への訪問リハビリ、乳児健診や学校健診、40人程度の前での症例報告など数多くの初めてを経験させていただいたと思う。
正直なところ、かなり疲れたなぁと思う時もあった。しかし、1か月前の自分と比較して間違いなく、確実に成長することができたと思えている。
僕は将来、家の都合で眼科医にならなければならない。あと一か月・二か月と柿添病院で研修していたら眼科医になることをやめていたかもしれない。
それくらい魅力がある病院で指導医の先生方であったと思う。

 最後になりますが、柿添病院の先生方(特に由美子先生)、スタッフのみなさん。
未熟で世間知らずな僕に様々な事を教えていただき、本当にありがとうございました。
長崎県平戸市まで名が知れ渡るようなビックな男になりたいと思います。
本当にありがとうございました。
大久保 篤