森 利枝 (社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
森 利枝
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
平成28年11月28日~平成28年12月22日
(医療法人医理会 柿添病院)

 柿添病院での実習を通して、さまざまな経験をし、学ぶことができた1ヶ月でした。病院内では病棟管理や外来に加え、健康診断や歯科の研修もさせていただきました。そのなかで特に強く感じたことは、臓器専門に関わらず基本的な知識と技術を身につけること、情熱と思いやりをもって生きること、そしてその地域の医療を支えるという意識をもつことの大切さです。
 まず自身の研修病院では、救急外来ではさまざまな科の患者さんを診ますが、各科を回っている間は基本的にはその科の患者さんを受け持ちます。しかしここでは病棟管理でも科に関わらずさまざまな科の患者さんを受け持ちました。腹部エコーや気管切開、胸腔ドレーンなど、どの科の医師でも必要な手技を多く経験させていただきました。それらを通して、どの科の患者さんであっても基本的な知識と技術、臓器専門医につなげるタイミングの判断が必要なことを実感しました。
 また柿添病院で出会ったスタッフの方々、特に医師の方々の情熱と思いやりを持って医療を行う姿が印象的でした。さまざまな科の患者さんに対応し、かつ手術など専門的な医療も実践し、院内だけでなく病院外でも診療、健診や講演など幅広く精力的に活動されています。そしてどの方に対しても穏やかで思いやりを持って接していており、患者さんの体も心も診ておられるのだと実感しました。自分はまだ知識や技術も不十分で余裕もなく、患者さんと接するなかでときに心が狭くなっていると感じることがあります。しかしここでお会いした先生たちのように情熱と思いやりの心を忘れないよう心がけます。
 そして先生たちの姿勢を通じて、平戸の医療を支えるという意識をもつことの大切さも実感しました。医療は患者さんのためにあり、またその地域の医療を支えるためにあることは当たり前のことですが、今まではあまり意識することはありませんでした。平戸での病院内外の実習、そして平戸での生活や観光を通して、平戸という場所で生活する人たちとともに医療があることを実感しました。どこでどのような病院で働くとしても必要なことだと思えるようになりました。
 どこでどんな医療を行うとしても大切なことを学ぶことができた1ヶ月でした。柿添病院のスタッフの方たちを始め、平戸で出会った方たちは穏やかでやさしい方が多く、皆様のおかげで初めての土地でも楽しく充実した1ヶ月を過ごすことができました。ありがとうございました。
森 利枝