宮下 七海 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
宮下 七海
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
令和2年11月9日~令和2年11月29日
(医療法人医理会 柿添病院)

 柿添病院で1か月間研修させていただきました。
 研修内容は多岐に渡り驚きました。乳児健診や留置所検診では、健康な体を健康だと判断することの難しさを痛感しました。本当は何か疾患を抱えているのではないか、どのような所見があるとまずいのか。普段気軽にしてしまう検査の前に身体所見をとることの重要性を再確認しました。院内でも健康診断は非常に多かったです。結果説明と診察をさせていただきました。普段病気の説明しかしないので、結果説明は非常に困惑しました。何を大丈夫と伝えたらいいのかわからず、はじめはかなりたどたどしかったと思います。自分だったら何が知りたいかを考えながら、段々と説明の仕方や順序を構築することができました。
 またこの1か月間、往診やリハビリ研修などで「その後」の患者さんを診る機会が非常に多かったです。普段務めている病院は急性期病院であるため、退院してしまえば「その後」を診る機会はあまりありません。脳梗塞後半身麻痺の方が装具を付けて歩行されていたり、圧迫骨折後の方の自宅に手すりがついていたりと、「その後」どのような生活ができるかは、リハビリや自宅の環境整備によって大きく変わることを痛感しました。どのような医療機関に今後務めることになっても、患者さんの生活まで考慮した治療や支援ができる医師になりたいと思いました。
 柿添病院では急性期の患者さん、その後自宅に戻った患者さんを診ることができ、患者さんを支える理学療法士、薬剤師、訪問看護師、ケアマネージャー、介護福祉士等多くのコメディカルの方と接する機会が多く、医療全体の流れを勉強させていただきました。1か月と短い期間でしたがこのような研修ができたことは、今後自分の医師人生の糧となると感じています。
 ご指導してくださった先生方、気軽に話しかけフォローしてくださった看護師さん、美味しいご飯を提供してくださった栄養士さん調理師さん、柿添病院職員の皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。また2人の同期とは平戸名物をこれでもかと思うくらい食べに行き、ともに様々な研修を共有しました。貴重な出会いをいただいたと思っています。
 最後になりますが院長よりいただいた印象に残っている言葉で締めたいと思います。病気は性悪説、患者さんは性善説。
宮下七海