益田 隆広 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
益田 隆広
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
平成29年10月2日~平成29年10月13日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 大変失礼な話だが地域医療について深く考えていなかったため、どんなことを学ぶか具体的な目標もなく、特段の期待もありませんでした。
 平戸という地域についてもほとんど予備知識はなく「歴史の教科書で見たことのある場所」というイメージがあるだけだった。よくわからないが行けばなんとかなるだろうという気楽な心構えで臨んだ実習だったが、地域医療でしか得られないで体験が得られ、非常に充実した研修となった。

 一つには慢性期の医療に興味を覚えたことが新しい発見だった。
 普段は急性期の医療現場にて診療しており自分の診た患者の退院または転院した後はどのように過ごしているのかということに疑問を抱いていた。青洲会病院の療養病床や介護保健施設の見学にて実際の慢性期医療を体験できこのような環境でいつか働いてみたいと考えた。

 二つ目には総合的な医療を提供していることであった。
 私は呼吸器内科志望であり、早く専門分野を勉強して自分のSpecialityを確立したいと考えていたが、地域医療では内科ならば内科全般あらゆる分野を総合的に診なければいけないことを知った。一番驚いたのは呼吸器内科専門の医師が上部消化管内視鏡検査を行なっていたことだ。幅広い内科疾患を診ることができ総合内科にも興味があったので地域医療は非常に魅力的であると感じた。

 なかなか症例が少なく指導医の先生も申し訳なさそうであり2週間で研修を終えて平戸を旅立たなければならないのが残念でならなかったが、今後の平戸の地域医療をよりよくするために働いている様々な人と一緒に、目指すべき地域医療とはどんなものかを考え、その発展の途中に少しでも身を置けたことが一番良かった。
 たくさんの人にお世話になりながら得られた成果は今後にも生かしていかなければいけないと思った。
益田隆広