小岩 空 (東京大学医学部附属病院)
小岩 空
東京大学医学部附属病院
平成29年4月4日~平成29年4月28日
(平戸市立生月病院)

 平戸市立生月病院での1ヶ月はあっという間で、とても楽しく、そして勉強になる1ヶ月間でした。
 研修が始まる前は、特に細かいことは考えず地域医療は地域に密着した医療だと漠然と考えていましたが、自分の想像を遥かに超えるものがありました。まず一番に驚いたことは、先生方は患者さんの名前を聞けば、どんな疾患を持っているということから始まり、その家族の方がどんな病気で入院していたことがあるということや、どんな仕事をしてどんな生活をしているかなど、まるで親戚のように生活の大半を把握していることが多いということでした。また地域性もあり漁師など長期にわたり病院にこられない方の経過フォローの仕方や患者さん自身の生活環境、家族の方の介護の状況等を全て把握した上での治療方針の検討など、まさにこれが地域に密着した医療だということを感じました。
 また生月の患者さんはとても優しい方が多く、外来や施設への訪問診療でも「また先生だね」、「いつもありがとう」、「先生はいつまで?」などいろいろと話しかけてくださる方も多く、とても暖かい町だなと感じました。「よか」、「ばってん」、「ごたる」などを始め方言も様々で、最初は何を話しているのかよく分からないことも多々ありましたが、徐々に聞き取ることができるようにもなりました。やっと慣れてきて患者さんと外来や訪問先で雑談等もできるようになってきた頃に研修が終わってしまうことが非常に残念で仕方がありません。
 生月での研修は自分に関わってくださった先生方、コメディカルやスタッフの皆様、患者様すべての方の暖かみを感じた1ヶ月間でした。また本当の意味で地域医療とはどんなものかを学べた1ヶ月でした。生月病院の先生始め、平戸市内の他の病院の先生方とも何度もお話できる機会があり、平戸は地域医療の最先端だというお話を何度か聞きました。1ヶ月終わってみるとまさに先生方のおっしゃる通り、地域での連携を始め、地域医療の最先端であるということを実感することができました。都会とはまた違った地域ならではの連携のとれた医療はすばらしい物であり、とても勉強になり、今後の長い医師としての人生の中で必ず生きてくる経験になったと思います。
 また生月は海の幸を始め、美味しい物がたくさんあり、絶景の景色もあり、1ヶ月では物足りないと感じる程美しく、美味しく、住民の方の優しさに満ちた島でした。また訪れたいと思うとてもすばらしいところでした。
 1ヶ月というとても短い期間でしたが、先生方始め、お世話になりましたすべての方にこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
小岩 空