小林 拓哉 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
小林 拓哉
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
令和元年8月19日~令和元年8月30日
(平戸市立生月病院)

 私は8月後半の2週間、平戸市立生月病院で地域医療研修をさせていただきました。外来見学、往診、老人ホームの回診、東南アジア出身の方への健診の結果説明など、普段の研修では経験しないことをさせていただきました。最初は初めてのことに戸惑いましたが、2週目には少し余裕を持って地域での医療をみられるようになりました。
 一番驚いたことは、来院される患者さんの年齢層の高さです。地域では高齢者の方が多いという漠然としたイメージがありましたが、生月の高齢化率(45%)は私の予想を超えていました。ご高齢であるがゆえに様々な併存疾患があり、また年齢を考慮すると根治的な治療が困難である患者さんが多い印象を受けました。そのような中で、現状で行える最大限のレベルまで回復をサポートし、患者さんやご家族の希望に沿う医療を提供する姿勢は、普段の研修ではみられないものでした。私の研修病院では急性期の患者さんを見ることが多く、慢性期の患者さんをじっくりと見ることは多くはないので、とても勉強になりました。
 外来での患者さんと医療スタッフの間の信頼関係も印象的でした。スタッフ側は患者さんの顔をみるだけで患者背景がすぐにわかり、患者さんも医者や看護師の方と話すことで安心して帰っていかれる姿をみて、そのような関係性は地域に根ざした病院ならではの光景なのかもと思いました。
 雨が多かったですが、仕事外でも長崎の美味しいものを食べたり、海沿いをドライブしたりと充実した研修となりました。これから高齢者の方を診察する機会が多くなると思いますが、ここ生月で学んだことを忘れずに、研鑽を積んでいきたいと思います。2週間と短い期間でしたが、このような研修環境を与えていただき、また生月での研修をサポートしていただいた生月病院の先生方、スタッフの皆様、ありがとうございました。
小林拓哉