甲斐 翔太郎 (社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
甲斐 翔太郎
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
平成27年8月31日~平成27年9月25日
(医療法人医理会 柿添病院)

 私は9月の4週間、柿添病院で地域医療研修をさせていただきました。
 そんな平戸での研修は初日から、ACS疑いの患者様を救急車で小一時間かかる佐世保への救急搬送に同行するという印象的な幕開けとなりました。島には心臓カテーテルが可能な施設がないという制限の中、AMIなど迅速な対応が要求される疾患に遭遇した場合の地域医療のあり方を垣間見ることができました。
 また、院内での研修では小児から高齢者、急性期疾患から慢性期疾患まで様々な症例を担当させていただきました。内視鏡や外科手術に関しては、もちろん症例数に差はありますが、術後管理等までしっかりと学ぶことができ急性期病院と遜色ない水準の研修を積むことができたと思います。一方、慢性期病棟の患者さんの中には状態こそ変わりませんが、リハビリスタッフや看護師さんとの会話、食事などを大変楽しみにしておられる患者さんもたくさんいらっしゃいました。急性期病院では病床管理のため、施設へ退院してしまうであろうこうした患者さんとの関わり方も、今回の研修を通じて自分なりに学ぶことができたのではないかと思います。
 さらに、訪問診療や通所リハビリテーション、離島への訪問リハビリテーションにも同行させていただき、地元の人の暮らしぶりを見聞きすることができました。ベタなところになりますが、「おーばんぎゃな」や「しょんなか」など初めて聞いた時にはわからないような方言も、ある程度聞き取れるようになりました。島のおはなしや、昔の様子などを話して聞かせてくださった方もいらっしゃいました。どれも、院内だけでの研修ではできない貴重な経験であったと感じております。
 最後に、指導医の先生方や看護・理学療法士・医療事務さんなどの病院スタッフ、そして優しく接して頂いた平戸の皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。海や山に囲まれた自然の美しいこの地で得た経験を生かして、ひとまわり大きな人間になれたらと思っております。
甲斐翔太郎