角屋 悠貴 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
角屋 悠貴
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
令和2年1月6日~令和2年1月31日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 1か月間、青洲会病院で研修させていただきました。その中で、医療資源が限られている状況で病院がどのように地域住民の方々を診ていき、生活を支えているのか、学ばせていただきました。具体的には、外来診療、訪問診療・看護・リハ、デイケアに参加させていただき、県北保健所や病院各部署、介護老人保健施設での業務説明を承りました。
 青洲会病院は、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟の計183床と、リハビリテーション室 、デイケアセンター 、人工透析室 などを備え、介護老人保健施設ひらどせとが併設されています。 また、介護老人保健施設つつじの郷、有料老人ホームさくら、養護老人ホームしかまちと連携しています。急性期病棟では、高齢者に多い誤嚥性肺炎、心不全、腰椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折が多く、回復期リハビリテーション病棟には、主に整形外科疾患でリハビリテーション中の患者や、佐世保市内で脳血管障害の治療を受け、リハビリテーション目的で転院されている患者がいました。外来診療では入院後の定期受診で来られており、状態が安定している患者がほとんどでしたが、肺炎で入院目的に診療所から紹介された患者や、流行中のインフルエンザなど様々な症状で、受診される患者もいました。ALSや脊髄損傷などでベッド上で生活せざるをえない方をみましたが、スタッフが訪問すると、嬉しそうに笑顔になったのが印象に残っています。養護老人ホームしかまちや大島、市内の家に訪問診療・看護に行きました。定期的に訪問することで症状が重篤化する前に発見し、治療や専門家への受診の指示など適切な対応がなされていました。デイケアセンターと介護老人保健施設ひらどせとでは、カンファレンスに参加させていただき、多職種が、利用者の状態を評価、情報の共有をし、個別に方針をとっていました。
 設備、医療従事者など医療資源は十分ではなく、販売店も限られ、車なしでは生活が困難な土地でした。職種の垣根を越えて連携し、定期的に訪問し、介護施設との連携を深め、個々に合わせたケアを行うことで、少ない医療資源で住民の健康を維持し、病棟の負担が軽減されていると思います。静岡市の高齢者の割合が平戸市の今と同じ状態になるのはそう遠くないと考えると、医療・介護がより連携を深め、疾病予防を強化していく必要があります。この実習で学んだことを今後活用していきたいと思います。知らない土地での研修で不安がつのる中、快く受け入れていただいた青洲会病院および関連施設のスタッフの皆様に感謝申し上げます。
角屋悠貴