伊藤 宗桂 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
伊藤 宗桂
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
平成30年6月4日~平成30年6月15日
(医療法人医理会 柿添病院)

 この度は平戸の柿添病院で2週間研修させていただき、誠にありがとうございました。2週間で経験したことや学んだことを簡単ではございますが、報告させていただきます。
 病院内では普段経験できない健診の結果説明を経験させていただきました。健診結果を患者に伝える際、患者が肥満体型であったり喫煙歴があったりする場合に冒頭から注意すると、患者は気分が落ち込んでしまい、その後の健診結果もあまり積極的に聞いてくれないことが多いと教えていただきました。患者自身も健康に良くないと理解していることを病院に来て再度注意されると、これからの健康に対するモチベーションも低下してしまいます。健診結果を一通り説明し終わった後に、食生活の見直しや禁煙に関して本人が少しでも前向きに捉えることが出来るように説明することが大切だと学びました。
 病院外では、度島への訪問診療、東和愛児園、中野診療所での研修を経験させていただきました。度島の訪問診療では島内でも500人程度しか住人がおらず、高齢者が独居で生活されているのが当たり前のような環境であり、普段病院内での医療しか知らない私にとっては非常に衝撃的でした。今後10〜20年後の日本の姿が度島にあると知ることで、今後の私が医師として高齢者医療に対してどう取り組むべきか考えるきっかけになったと思います。
 地域では専門性にとらわれず患者の診療に当たる必要があり、自分が診た患者は急性期だけでなく慢性期も責任を持って管理していく必要があります。今後自分が地域医療に携わることになった場合に少しでも役に立てるように、残りの研修医生活で将来の専門分野以外のことをしっかり学んでいく所存です。
伊藤宗桂