石塚 行子 (東京大学医学部附属病院)
石塚 行子
東京大学医学部附属病院
平成29年11月6日~平成29年11月30日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 地域研修で2017年11月に一か月間長崎県平戸の青洲会病院でお世話になりました。
 わたしは平戸を訪れるのは今回が初めてで、またへき地や島という地域のコミュニティのつながりが強いところへ足を踏み入れてどのように受け入れてもらえるのかという不安もあり、当初は随分緊張して長崎へ向かったのを覚えています。実際には院長先生をはじめとする先生方やコメディカルスタッフの皆さん、総務の方たちの温かい歓迎で、大変楽しく充実した研修となったことに感謝しております。
 青洲会病院ではリハビリが充実しており、理学療法・作業療法士のスタッフが多くいることがまず新鮮でした。
 診療に携わるうちに、へき地の高齢者医療では入院中の患者さんの退院支援や、在宅患者様のADL維持にリハビリが密接にかかわっており、へき地医療の重要な一端を担っているということが様々な場面で実感できるようになりました。中でも印象深かったのは訪問リハビリの見学で、部屋で一人でじっと寝ていた患者さんが、スタッフが顔を見せると生き生きとしゃべりだし、リハビリで息が切れだしても話を止めずに初対面の私にも声をかけてくださるご様子を見て、リハビリというのは外出もままならない患者さんの数少ない交流の機会にもなっているのだと感じられました。
 また青洲会病院では放射線科や薬剤部、地域連携部などのコメディカルスタッフの部署を見学させていただき、どのような点に重きを置いて業務を進めているのか、医師に対してどのようなことを求めているのかなどを具体的にお話を聞かせていただいたのは、コメディカルの業務について詳細を知らなかった私にとって大変貴重な経験でした。
 全体を通して、青洲会病院では地域の患者さんに必要な医療を届けるときに、コメディカルの方たちの働きがいかに重要かということを学びましたし、医師がこれらのコメディカルの実情を深く理解し、各部署が円滑な連携が取れるように適切に配慮することがよりよい地域医療のためには欠かせないということを強く実感しました。人と人との距離が近く、患者-医療者間のみならず医療者同士でも密なコミュニケーションが実現されている青洲会病院だからこそ得られた学びだったと思います。高齢社会が進む現代で、医療従事者としてどのように患者さんと関わっていくのかを考えるうえで、地域実習で得た経験はとても有意義でしたし、今後の医師生活でもこの経験を医療現場で積極的に生かしていきたいと考えております。
 最後に、青洲会病院の皆様およびコンソーシアムの方々のおかげで、充実した研修生活を送る事ができ、大変感謝しております。1ヶ月間ありがとうございました。
石塚行子