石川 翔也 (東京大学医学部附属病院)
石川 翔也
東京大学医学部附属病院
令和元11月1日~令和元年11月30日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 この度は地域医療研修を行うにあたり、受け入れてくださった青洲会病院の皆様、またながさき県北地域医療教育コンソーシアムの皆様に御礼を申し上げます。
 さて、私は東京都にある東京大学医学部附属病院(以下東大病院)の初期研修医として、1か月間地域医療研修の一環として長崎にやって参りました。東大病院では1か月間の地域医療研修が必修ですが、その選択肢は多岐に渡り、都内で完結できるものもありました。ですが私はなるべく都市部から離れた地域へ、それも全く知らない土地に行きたかったので、長崎を選択しました。よって、平戸市については恥ずかしながら何もわからないまま行ったのです。
 東京から長い時間をかけ、ようやくたどり着いた青洲会病院は、目の前に海が見渡せる場所にありました。海好きな私にとって、これからはじまる生活にわくわくしたのを思い出します。
 まず驚いたのは、病院の規模に対してのスタッフの少なさです。医師は圧倒的に少なく、また皆年配の先生方でした。先生方はもちろんご専門をお持ちでしたが、病院には様々な疾患を抱えた患者さんが来院されます。また往診も盛んであり、自分の専門領域以外の対応が求められることが非常に多く、総合診療の力が必須であると感じました。
 また地方の病院では医療レベルの遅れがあるのでは、という懸念もありますでしょう。もちろん最新の設備を必要とするような医療などは難しいですが、標準治療から遅れてしまう、といったことはありませんでした。今の時代はインターネットなど情報源が発達をしているため、地理的なビハインドは理由にならず、先生方は日々勉強をし、積極的に情報をアップデートされています。そのような姿勢を見ることは、医師の生涯学習の重要性を学ぶ上で大変考えさせられました。
 そのほかにも、ここには書ききれないほど多くのことを学ばせていただいた研修となりました。日本は全国的にますます超高齢社会となっていきますが、すでに高齢者率が全国平均より上回っている平戸はある意味日本の未来をいっており、そこから学ぶべきことは余りあると思います。地域医療、それに関連する問題に目を背けず、いずれは自分が何かしらの形で貢献できるように、これからの研修も充実したものにしたいと思いました。
石川翔也