H.S (東京大学医学部附属病院)
H.S
東京大学医学部附属病院
令和2年2月1日~令和2年2月29日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 2020年2月の1ヶ月間、青洲会病院で研修を致しました。羽田空港から長崎空港、佐世保を経て、たびら平戸口へ降り立ち、“本州最西端の駅”の表示をみた時にはなんと遠くまで来てしまったことかと思いました。一般にはこの後に、孤独と不安を感じたと書くところかもしれませんが、実際のところ松浦鉄道の沿線の美しさに興奮覚めやらぬ思いでした。
 青洲会病院では、多くの先生方が専門科に囚われずに診療を行っておられるのを目の当たりにし、都会の病院が如何に専門科に細分化されているのかを改めて実感しました。 
 研修中に参加した、外来診療、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリでは高齢独居の方や、生活保護の方等の実際の生活に入って診療に参加させていただきましたが、医療資源の限られた中でどのようにしてより良い医療を行うか、考えさせられることばかりでした。月並みではありますが、普段在籍している大学病院を基準に物事を考えており、視野が狭くなっていました。しかし、自分の普段の職場とは対局の場で過ごすことによって、外側から普段自分の置かれている状況がどのようであるのかまた改めて考えさせられました。
 また、大学病院にいる限り自分は大きな歯車の中の一部でしかないので、国全体の医療政策や指針がどのように動いているのかは考えずに過ごして来ました。しかしながら、今回、大学よりずっと規模の小さい場に身を置き、様々な部署を回って病院全体での研修をさせていただいたことで、どのように病院が運営されているか、どのような施策がなされているかがいつもよりずっとよく視え、そして考えざるを得ない状況であり、非常に勉強になったと思います。
 青洲会病院で過ごした1ヶ月は、私の人生の中でかけがえのない1ヶ月であり、今後も折に触れ思い出すことと思います。このような素晴らしい機会を提供して頂いた先生方、そして全てのスタッフの方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
H.S