東野 真志 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
東野 真志 |
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地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター 平成29年8月7日~平成29年8月18日 (平戸市立生月病院) |
2017年8月前半の2週間を生月病院で臨床研修させて頂きました。私は和歌山で育ち長崎大学医学部を経て、現在、神戸の中規模市中病院に勤めています。長崎大学でのへき地医療の学習で、「へき地医療は超高齢化社会という意味では、数10年後の日本の『最先端』である」という言葉を思い出しながら研修に臨みました。 生月病院の外来では90歳を超えても歩いて来られ、元気に帰って行く患者が多いことに驚きました。医師は短い問診の中で、夏場に脱水を起こさず乗り切られそうか、普段の生活で不自由なことが起こっていないかを聴取されており、体調を崩しそうなサインが少しでもあれば受診回数を増やしていました。このような綿密なフォローアップにより健康寿命が延びていることは間違いないと思います。高齢者はたとえ脱水でも、一度寝たきりになってしまえば、もとの日常生活に戻ることが難しく、なによりも予防が重要です。そして医療資源の限られる当院で医療を完結させようと考えた場合、重症化し過ぎると治療は不可能となるため、自然と予防の重要度は高まります。この実習を通じて、これから来る超高齢化社会で最重要なのは予防であること、超高齢化社会でなかったとしても、予防医学は重要な医療のテーマであり実践すべきであること、そして、へき地におけるそのノウハウはその地域の医師が知っているということを学びました。 もう一つ痛感したことは、最先端の医療を学ぶ以前に、身近に学ぶべきことが多く存在しているということでした。胸部レントゲンひとつとっても、読影力がまだまだ甘いという点を反省しました。上級医は今までに膨大な数のレントゲンを読み、紙カルテに所見をスケッチすることを繰り返しています。電子カルテではスケッチすることはなかったのですが、読影力を身につけるために面倒と思わずスケッチをしていこうと思いました。 2週間という短い期間でしたが、貴重な経験をさせて頂きました。お世話して下さった皆様の心のあたたかさにも感動しました。ありがとうございました。 |
