深水 文惠 (独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター)
深水 文惠
独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター
令和2年11月30日~令和2年12月25日
(医療法人医理会 柿添病院)

 私は1ヶ月間、柿添病院で研修をさせていただきました。もともと佐世保出身ではありますが、平戸に行くのは初めてでどんな地域なのか正直不安もありました。柿添病院周辺は海の眺めがよく城下町の雰囲気があってとても素敵な場所でした。研修は、外来診療や病棟業務だけにとどまらず、保健所、生月乳児健診、診療所、通所リハの見学など院外実習も多岐に渡りました。
 外来見学では、先生方の丁寧な診察が印象的でした。病状を聞くだけでなく、生活面でのことを尋ね、必ず患者さんに触れて丁寧な聴診をしていらっしゃいました。実際に研修医も外来診察の機会があり定期処方をもらいに来る患者さんやリハビリに来る患者さん、健診の結果説明など長崎医療センターではなかなか経験できない外来を経験させていただきました。初めは何も主訴がない健康な患者さんにどうアプローチしていくのか戸惑いましたが、徐々に慣れてきたように思います。
 入院患者さんにおいては、癌末期の患者さんも受け持ちさせていただきました。患者さんの一時退院して遠方から来る家族に会いたいという気持ちがある一方、コロナ患者数が増加している時期で面会さえも難しいという状況でした。柿添病院では、患者さんがテレビ電話を通して家族と面会できる、リモート面会を行なっており、受け持ち患者さんもリモート面会を行うことになりました。患者さん、家族の気持ちにできる範囲で答えようという気持ちを感じ、総合病院などの大きな病院ではなかなかないとても良いシステムだと思いました。
 また、最終週には柿添病院と連携した保育所であるイエローハウスの見学もさせていただきました。へき地での勤務は、実家と離れているなどの理由で育児の支援が受けにくいのではないかと想像していました。しかし、イエローハウスは柿添病院のすぐ隣に位置し、夜間保育や午前保育なども対応しており子育てする夫婦が安心して働くことのできる環境であると感じました。
 最後にはなりますが、突然のローテート変更であったにも関わらず研修を受け入れてくださった柿添病院の皆さんに心から感謝申し上げます。妊娠中ということで大変ご迷惑をおかけしましたが、体調を気遣ってくださった先生方、看護師さん、病院スタッフの皆さん、一緒にローテートした研修医のおかげで1ヶ月間乗り切ることができました。本当にありがとうございました。
深水文惠