藤川 正弘 (社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院)
藤川 正弘
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
平成26年12月1日~平成26年12月26日
(医療法人医理会 柿添病院)

 12月の一か月間、地域研修の機会をいただき柿添病院で勉強させていただきました。平戸研修では、本当に多くの事を経験させていただきました。病棟では、肺癌や乳癌で末期の患者さんや、胆嚢摘出術や腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を施行した患者さん、手術中に冠動脈攣縮をおこし術中に胸骨圧迫をした患者さん等、様々な患者さんの管理をさせて頂きました。大病院のように全ての診療科があるわけではない中で、あらゆる疾患の患者さんを治療していく事の難しさを学び、遣り甲斐を感じる事も出来ました。また、入院や退院を考える際に、その患者さんの住んでいる場所や、ご家族の事情なども十分に考慮しているのが印象的でした。外来で一番記憶に残っているのは、重症肺炎で来院され、そのまま息を引き取られた患者さんです。医師になって初めて死亡確認をさせて頂いたのもこの時でした。
 病棟・外来業務、手術といった病院内の研修に加え、保健所実習や乳児健診、訪問診療、離島への訪問リハビリなどの病院外の研修もさせて頂きました。保健所研修では、保健所の業務があまりにも多岐にわたっている事に驚き、地域医療において行政がどれほど重要かという事をあらためて感じる事ができました。訪問診療や離島への訪問リハビリでは、医療スタッフの方が患者さんの抱える背景を事細かに理解しているのに感動しました。患者さんも医療スタッフに心をひらいているように見え、人と人との距離が都市部よりも近いのを感じた研修でもありました。
 最後になりますが、初めての地で一か月間気持ちよく研修できたのも、指導医の先生方をはじめ、多くの医療スタッフの方々のご配慮があったからだと思っています。本当にありがとうございました。
藤川正弘