有田 和旦 (東京大学医学部附属病院)
有田 和旦
東京大学医学部附属病院
令和2年4月1日~令和2年4月24日
(平戸市立生月病院)

 2020年4月から1ヶ月間、平戸市立生月病院でお世話になりました。全国的に新型コロナウイルス感染症が蔓延し始め、4月7日には主要都市に対して緊急事態宣言が発令され、さらに4月16日には長崎県含め全国に緊急事態宣言が発令されるという中での研修となりました。私自身、東京での診療で濃厚接触は無かったものの、体温測定や症状を観察しながら研修を行うこととなりました。また、外出や食事会の制限などで3密を防ぐ事に加え、救急医療懇話会の中止、コンソーシアム合同オリエンテーションはZoomを使用して行われるなどの措置が取られました。様々な不安はありましたが、その中でも非常に多くの事を学ぶ事ができました。研修期間中、平戸市内に新型コロナウイルス感染症の患者は確認されていない状況ではありましたが、僻地医療において、限りある資源を用いてどのように感染症への対策を行っていくか、また発熱などの症状を訴えて来院された場合、どのように対応すべきかなど様々な事を学び、そして考えるきっかけとなりました。
 地域医療では大学病院などとは違い人工呼吸器などの設備や感染症対策などに対する資源が多い訳ではありません。そのため、超高齢者の方が多く入院している院内で感染者が出たら容易に対応しきれなくなる可能性があります。また、医療従事者も少ないため、濃厚接触をしただけでも病院が回らなくなるような状況になり得ます。恐らく、全国の僻地病院や診療所はそういう状況の中で診療を行っているのだと思いました。
 激動の1ヶ月でしたが、感染者が増加している東京へと戻ります。生月島のサンセットロードから見た夕日や、川内峠から朝5:45に見た朝日などは忘れられない光景です。色々と落ち着いたら絶対に遊びに来ます。
 最後に、山下院長をはじめ先生方やコメディカルの方々、事務員やスタッフの方々、このような状況の中、研修受け入れて頂き心から御礼を申し上げます。
有田和旦