青木 亮太 (独立行政法人労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
青木 亮太
独立行政法人労働者健康福祉機構 横浜労災病院
平成27年6月1日~平成27年6月26日
(社会医療法人青洲会 青洲会病院)

 青洲会病院では、検査部や薬剤部をはじめとする各部門の体験、外来・入院患者管理、離島での訪問診療とリハビリを体験させていただきました。
 どの部門の方も、お忙しいところ丁寧に説明してくださり、大変勉強になりました。各部門の協力体制や垣根の低さは規模が大きくない病院の大きな強みだと感じました。
 病棟では末期癌(残胃癌再発)の症例を受け持たせていただきました。研修病院では末期癌患者を経験したことがありませんでした。癌性疼痛のコントロールの仕方や、鎮痛薬による副作用、副作用に対する薬剤の使用について非常に勉強になりました。しかし本人の死に対する不安や、今後の経過に関する家族からの質問に自信を持って受け答えすることができず、反省するとともに経験の必要性を強く感じました。研修病院ではこちらのように自分一人で方針を決定することは少ないです。研修病院に戻っても自分一人だったらどうするかを常に考えて診療していきたいと思います。
 外来や離島診療では、感冒や軽症外傷、虫咬傷等が多い中で、緊急性のある疾患を検査等に頼らずできるだけ除外するために、幅広い知識と診察技術を有していることの重要性を感じました。また医療へのアクセスが悪いところでは、他の医師の意見を聞くことや診察を受ける機会が少ないと感じました。こういった背景があるため、地域医療を担う医師こそ正確な知識を持って、患者にとって最良の選択ができるようマネジメントできる能力が必要だと思います。
 研修病院では、急性期治療を終えた患者は長期管理が可能な病院に紹介することが多く、患者のその後を見ることがありませんでした。今回の研修で、治療を継続しながら自宅退院を目指してリハビリを頑張る方、生まれ育った島で暮らすため、また仕事に従事するため自宅でリハビリを継続し、診療を受ける方の姿を目にすることができました。このような方々の努力ももちろんそうですが、患者一人一人の思いに沿うよう努力する医師、看護師やPTを始めとするコメディカルの皆さんのプロッフェッショナリズムに大変感銘を受けました。
 院外でも、毎週のように飲みに連れて行って下さり、美味しい魚や平戸牛も食べられ、人生2度目の田植えも経験でき、いい思い出ばかりです。6月の研修医は自分一人でしたが、青洲会病院のみなさんには大変気にかけていただき、寂しい思いはしませんでした。これから医師として生きていく上で重要なことを学ぶことができた1ヶ月でした。短い間でしたがお世話になりました。ありがとうございました。
青木亮太