秋山 智幹 (地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター)
秋山 智幹
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立西神戸医療センター
平成30年7月17日~平成30年7月27日
(医療法人医理会 柿添病院)

 柿添病院の先生方、スタッフの方々に暖かく迎えられ、2週間という短い期間でしたが非常に有意義な時間を過ごすことができました。兵庫県という遠方から来た私に優しく接し丁寧に指導してくれたこと、心より感謝申しあげます。
 2週間という短い期間の中で、外来診察、健康診断、手術、訪問診療、訪問リハビリテーションなど様々な体験をすることができました。柿添病院で特に印象に残ったことは、患者さんと医師との間に信頼関係があると言うことです。平戸に長年貢献してきた病院であり、長く通院している患者さんや家族で受診している患者さんも多く、患者さんが柿添病院を頼りにしているのを実感しました。医師は患者の病状だけでなく自宅での生活まで配慮されているため、患者との距離も近く信頼関係が構築されているのだと感じました。また外来見学をしていく中で総合診療の形がイメージしているものと異なっていました。今まで漠然と教わってきた総合診療ですが、内科全般の初期対応を行ったり、原因不明の患者に対して原因検索していたりするようなイメージを持っていました。しかし柿添病院では内科・外科を問わず自分の専門外の分野の患者に対しても、診断から治療まで可能な範囲で行っていくという総合診療が行われていました。循環器疾患、糖尿病、消化器、整形外科など診療する領域は多岐にわたる中で、専門外であるというだけで診療を行わなかったり、疎かにしたりすることはなく、小児から高齢者まで幅広く対応します。「患者が困っていれば、診療科は問わず診療する」「病気ではなく患者を診る」という医療本来の診療が行われていることを実感しました。更に普通の総合内科と違う点は、ただ薬を処方し検査するだけでなく、胆嚢摘出術や大腸切除などの手術も自分達で行う点です。総合的に診療しつつ自分達の専門性を発揮することで、より質の高い医療も提供していることに驚きました。また入院患者の重症度も軽症から重症まで幅広く、自宅での生活を考慮しての経過観察入院から、気管挿管し人工呼吸しながら透析を回すような重症患者まで多くの症例を経験することができました。柿添病院に来るまで、地域医療では安定した患者を対応するとばかり思っていましたが、可能な限り自分の病院で対応していることに驚きました。地域では高齢者が多いこともあり、重症患者の割合も多くなりますが、可能な限り自分達で治療を行い地域医療に貢献する姿勢は地域の患者さんに安心感を与えているように感じました。
 また他の病院から来る研修医と短い期間共に研修できたことも非常に良かったと思いました。病院の規模や地域での役割など、異なる特徴を持った病院で研修している同期達は、知っていることも違えばできることも異なります。そのような関係の中で共に研修することはとても刺激となり、研修を楽しく過ごせた要因だと考えています。
 平戸での地域実習を終えて、柿添病院の先生方の「患者に寄り添う気持ち」「病気ではなく患者を診ること」を大切にする姿勢を見習って今後は患者に接していきたいと思いました。今回の経験を今後も生かせらせる様に精進していきたいと思います。2週間という短い期間でしたが先生方・スタッフの方々に温かく接して頂き、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。この場をお借りして感謝申し上げます。
秋山智幹